遺跡荒らしエレアの足跡23

プチリン「…！」（プチリンは強い眼差しでその時を待っている）
チェーロ「準備万端ね…プチリン、行ってらっしゃい！」
エーリス「プチリーン！フレー！フレー！」
蓮之介「プチリン。いつもどおりにやればいいですよ。貴方にはそれだけの実力があります」
プチリン「！！」（プチリンは大きく跳ねると、『チャンプ』が待つ。闘技場へ向かった）

チャンプ「………」
プチリン「………」
にらみ合う2匹のプチ。決戦の時は訪れた！

チャンプが吐く凍えるような氷の息。けれど、チェーロが与えた音の耐性+***と冷気の耐性音の耐性+**がエンチャされた赤く染まった重兜≪混沌に染まりし水平線≫を装備したプチリンには大したダメージにならない。
かつては2・3回ほどくらっただけでミンチにされたチャンプの重い体当たりも、鍛えられたプチリンの身体は耐えるようになった。
挑んで、負けて、負けて。好きな人の前で晒す情けない己の姿がひどく悔しかった。
プチリンは今の自分ならと、そう思った時には…

プチの闘技場の『チャンプ』はミンチになった！
プチリン「！」
プチリンは勝ったのだ！

チェーロ「プチリン！おめでとう！！」
プチリン「♪」（誇らしげな顔をしている）
エーリス「フハハーン！おめでとープチリン！！ぎゅううううぅっとしてあげる！」
プチリン「！？」
逃げる暇もなく怪力のエーリスに抱きしめられるプチリンだが…その身体は以前のように破裂寸前の風船のようになることなく。強靭な弾力と柔らかさで、ほぼ形が変わることがなかった。
蓮之介「エーリス。プチリンはチェーロに大事な話があるようなので…　離してあげなさい」
プチリン「！」
チェーロ「あらあら…」（チェーロはニヤニヤと笑みを浮かべている）
エーリス「そっかー　それじゃ、2人っきりしないとね」（バイバイと手を振り、黄金の騎士と防衛者は先に帰った）

なんとなく目についた橋の上で並んで、大海原へ流れていく川を眺める2人。
チェーロ「…」
彼女は待っている。プチリンは緊張をほぐすように伸びた後…その思いをチェーロに伝えた。
チェーロ「そう…　とっても嬉しいわ。私も好きよ。最初は軽い冗談のつもりで言ったのに。私が思っていた以上の相手に挑戦していったプチリンの姿に胸がドキドキしてたわ」
彼女は頬を赤く染めて、微笑んだ。

チェーロ「あらあら。帰宅したら、準備済みってやつ？」
蓮之介「チェーロのことだから、思い立ったが吉日って言うでしょう」
チェーロ「うふふっ♪　ありがとー」
プチリン「？！？？」（プチリンはこの雰囲気に驚いている様子だ）
エーリス「お姉ちゃん！　お祝いの花火も用意しているよ」（目をキラキラさせながら、ねこのゆりかごを持っている）
チェーロ「エーリス…　気持ちだけもらっておくわね。さすがに自宅を爆破する趣味はないわ」
蓮之介（良かった…）「それじゃあ、始めましょうか。結婚式を」
プチリン「…！！」

プチリン「…」
プチリンは大勢の前に恥ずかしそうに身体をピンク色に染めながら、密かに持っていたものを出した。

それを受け取ったチェーロはプチリンにキスをした。

チェーロ「ふふっ。生涯の愛を貴方に誓います」
プチリン「♥」

エーリス「いいなー　あたしもお姉ちゃんと結婚したい～」
チェーロ「そう。エーリスも結婚しようっか？」
エーリス「フハハーン！やったぁ！」
プチリン「！」
チェーロ「あらら。旦那様が嫉妬しちゃっているから、また今度ね」
エーリス「えー」
蓮之介「せっかくの結婚式だというのに…　チェーロは軽いですね」
チェーロ「私はいつだって本気よ。でも、エーリスとも結婚したら蓮之介だけ独身になってしまうわね」
蓮之介「…前から言っていますが、私は女性が恐ろしいです。けれど、貴方のことは女性だと意識しないほど一緒にいて楽しいから平気なんです」
チェーロ「それって、つまり…」
蓮之介「エーリス。新婚の邪魔になりますから…私たちは離席しましょう。他の人たちも、家の仕事に戻ってください」
蓮之介は逃げるようにエーリスを連れて、部屋から出ていった。自宅の住民たちも後に続くように去っていった。