クレイモア吸血鬼の旅行記39

 


アネモネ「うむ。良い匂いである。神々がくつろぐ場で飲む紅茶は素晴らしいが、ドラクルが淹れる紅茶がやはり最高であるな」
ドラクル「お褒めいただきありがとうございます。お嬢様」
エリザ「神界は襲ってきたアンデッドやモンスターで大騒ぎですのに。ずいぶんとのんびりとしていますわね」
アネモネ「休める時に休み。遊ぶ時に遊ぶのは大事なことだぞ。そんなところに立ってないで座るがよい。茶菓子ならアピの実クッキーがたくさんあるぞ」
ジル「わーい♪マスターが作ったクッキー… じゃないですけど、食べるのですです♪」
エリザ「もう1万枚ぐらいは食べましたわ… その終末クッキー。他の菓子はないですの」
アネモネ「ふーむ…?ああ、種にする用の腐った苺があったな。今、四次元ポケットから取り出して」
エリザ「嫌ですわっ!」
アネモネ「ふふっ、安心するがよい。取り出せば鮮度が戻り、調理すれば腐った見た目から美味しそうなパフェになるぞ」
エリザ「腐っていたと知ってる時点で嫌だと言っているのですわーーっ!!」
アネモネ「そうかそうか。我にあ~ん♥してほしいのだな。さあ、霊布製バーベキューセットで作った我特製苺パフェを食べるがよい!」
エリザ「嫌だと言って… ちょっと!スプーンを口に押し付けてこないで、クリームでベトベトになるじゃないですの! …なに、笑っていますの!アホ吸血鬼っ!!」
ドラクル「エリザさん。ハンカチをどうぞ…… 口元ではなく、鼻を拭いた方がよろしいかと」

 

明けましておめでとうございます。ということで、いつもどおりのプレイ日記です。

 


アネモネ「さて、次は腐ったりんごから… ぬ?謎の貝から”女”の声が聞こえるな」

???「…… 流石は私の妹だ!敵の数…… ………こちらに…… このまま……」
???「……… 随分と派手にやって………」
ザーーーーーザザザーーーーーーーーーザー…
????「そおい!!」
???「灼熱の巨人『スルト』!…………現れ………」
???「ええい!!どいつもこいつも………… もういい!!血祭りに………」

アネモネ「交戦している音が混ざって、聞き取れない部分があったが… 重要なことはわかったのである。急ぐぞ!乙女がピンチなのである!」
ドラクル「はい。ルルウィの加護の元、走りましょう。お嬢様」
ジル「僕、マスターのために頑張って走るのですです!」
エリザ「…大変なことになってるみたいだから。我慢しますわ。今は」

 


女神の瞳から零れ落ちる血涙。赤い滴は地に落ちた瞬間に黄金へ変わっていく。だが、その輝きは血を分けた双子の兄を犠牲にしてしまった妹の悲しみの前では何の価値もない金塊だ。
誰もがその悲劇に涙する光景に、燃えるような赤い巨人は大笑いしていた。なんて、ぬるい奴らなのだろう。毎日毎日、肌を焦がす容赦ない火。渇いた喉を潤す水などない炎の世界以外に住む連中は他者のために己を犠牲にするなんてバカバカしい考えを持ったぬるい奴らばかりなのか。おかしくておかしくて笑いが止まらない。
フレイ「……に、逃げ…ろ…フレ…」
国ひとつ買えるほどの最上の宝石さえ、その美しさの前には路傍の石になると吟遊詩人にうたわれる美貌の神は、血にまみれた大地に倒れ伏し。美声が紡がれる唇から血を吐きながら、放心している妹に必死に呼びかけていた。
スルト「んー?まだ生きているのか?まぁだ俺を楽しませてくれるってのか?……ククククク!!感謝しなければあ。そうだな、死ぬ前に妹の死体を拝ませてやろう」
フレイ「……や…やめろお!」
勝利を宣言するかのように高々と神殺しの力が宿った黒い剣を振り上げ、灼熱の巨人は笑いながら剣を振り落とした… が。望んだ肉を裂き、骨を叩き折る感触はなく。硬い、金属と金属がぶつかりあう音が響き渡った!驚きに開かれた灼熱の巨人の目に映ったのは深紅のマントを着た幼女であった。


アネモネ「女に与えるプレゼントにはその刃は無骨だと思うぞ!」
スルト「……あーん?誰だテメェは?」
アネモネ「大丈夫であるか。麗しい愛の女神よ… 最強無敵な超絶美形吸血鬼が助けに来てやったぞ!」
フレイヤ「え? …えっと、ありがとうございます?」
エリザ「豊穣の神が瀕死になっていますわよ」
アネモネ「男はどうでもいい」
フレイ「一度は…私の信者に……なって…くれたのにひどいな……は、ははっ」
スルト「おいっっ!!俺を無視してんじゃねぇ!!!」
フレイ「フ、フレイ、ヤ… 行…け…」
少しだけ安堵したかのように笑みを浮かべた兄は最後の力で立ち上がり、灼熱の巨人の足にしがみついた!そんな力が残っていると思ってなかった灼熱の巨人はバランス崩して転びそうになり悪態をつく。
フレイ「わ、私を、無駄死に……させるな…!」
そう力強く言い放つ兄の姿に勇気をもらったのか。悲しみに立ち止まっていた愛の女神は走り出した。別れの涙で黄金の道を残して。
アネモネ「ここは我らに任せよ。もう休め。豊穣の神フレイよ、貴様にはあまり興味が無かったが、すこーしだけ好きになったぞ」
フレイ「ふ…ふふっ…それは良かった……愛する……こ…ころは……………」
スルト「ちぃ!この死に損ないがぁ!!」
嫌な音が響き。灼熱の巨人の足の下から真っ赤な色が広がっていく。けれど、吸血鬼にとって印象的に残ったのは、豊穣の神が最後に浮かべていた微笑みであった。それは妹への愛、気まぐれにやってきた冒険者への愛に満ちていた。


アネモネ「我は赤い色が好きだが… 貴様の赤色は不愉快だ!」
スルト「雑魚が邪魔しやがってよぉ。この代償、テメェの命で払って貰うぜ!!」


アネモネ「灼熱の巨人と名乗るだけあって、炎を操るようだな。それにあの黒い剣… 神を殺す力が宿っているだけあって。炎の壁、ファイアボール、さらにメテオや終末まで発動するようだ。ふふふっ、面白いのである」
エリザ「まったく面白くないですわ。発動する前にミンチにしませんと」
アネモネ「そうであるな。あの巨人を楽しませるほど、我は寛大ではない。近接攻撃をさせるな、遠距離からの攻撃を続けよ!」


スルト「ブンブン群れやがって、うっとうしいクソ羽虫どもがっ!!こっちも数で勝負してやる!おめぇら!出番だぞ!」スルトは巨人族を召喚した!
エリザ「キャー むさくるしいですわ!無駄にでかい図体で空間を圧迫するのはやめてくださらない!迷惑ですわっ!!」
ジル「ああー!マスターの姿が見えなくなるじゃないですかー!消えろ失せろウスノロ共ぉ!」

アネモネ「我、そんなに小さいか。豆か?」
ドラクル「お嬢様は可愛らしいですから」

 

スルト「くそっ!くそがっ!ふざけんなぁああああっ!!こんな場所で、俺が死ぬなんてありえねぇ!!予言どおりなら、すべてを焼き尽くしてっ…!!」

*ブシュッ* エリザは灼熱の巨人『スルト』の首をちょんぎり 殺した。
エリザ「あなたの言葉、耳障りですわ」
巨人の首の断面から勢いよく吹き出す血の雨を浴びる赤いドレスの少女。周りに飛び散る血は、まるで可憐な花が散らす花びらかのようだ。
アネモネ「…美しい」
思わずそう呟くほど吸血鬼は見惚れていた。
エリザ「なに、ぼけーっとしていますの。何か呟いていましたけど、気がついたことがありますの?」
アネモネ「え?いや、そのぉ…… 女神の行方が気になるのであるな!素晴らしい下僕を従える麗しい我に助けられた礼にちょっとだけなら吸わせてくれぬかもしれんと思うと、わくわくするのであーる!」
エリザ「最低ですわーーーっ!」*ヒュンヒュン*
アネモネ「ぬわっ!!?首狩りエンチャが付いた短剣を振り回すなーーーっ!!さすがに危ないのである!!」


アネモネ「ふぅ… 恐ろしい目にあったのである」
ドラクル「”わざと”はいけないと思いますよ。お嬢様」
アネモネ「な、なんのことであろうな~ …ぬ?何か聞こえるな」
ドラクル「また謎の貝から神々の電波が届いているようですね」
吸血鬼は耳元に謎の貝を寄せた。何か嫌な予感がし、その表情からいつもの余裕たっぷりな笑みは消えていた。

??「それは……それは、ちょっと困るな……」
フレイヤ「……え?」
??「スルトは持つ剣はオーディンを殺す為に用意したんだ。ここで失うわけにはいかない」
フレイヤ「ロキ…さ…ま…?」
ザザザザザザッ……ザーーーーー………

アネモネ「愛の女神は愛した男に殺されたか。愛を語る神は結局、愛する妹を失ったのか…… まったく気に食わん。予言予言と、そればかり気にする愚かものをぶん殴りに行くのである!」

 


RP会話が小説化しているような気がする。ノリノリに書いたので削らないが。